化学が生み出す不思議な景色① 〜地獄めぐり in 別府〜
先日、別府の地獄めぐりに観光に行ってみた。
まず一番初めに見たのが、その名も“海地獄”。
観光に行く前にネットで調べて青い色をした温泉ということは知っていた。
しかし実際に見てみると、噴き上がる水蒸気とその音。
そしてスカイブルーの色に圧倒された。
水蒸気は、誰かが人工的にドライアイスで煙を作り、『ゴー』という音の入ったテープを流しているのではないかと疑うほどの勢い。
温泉の色は、人工的に着色したのではないかと思うほど濁りのない綺麗な色だった。
それらは自然が作り出したとは思えないほど見事なものだった。
しかしその疑いも硫黄の臭いで消え去った。
紛れもなく温泉だ。
この美しいスカイブルーは硫黄鉄が溶解していることによる。
昔、金属イオンの水溶液について学校で学んだことを思い出したりしてみる。
化学反応が生み出す美しい自然の景色。
美しさの影には科学がある。そんな自然が素敵だと思う。
ベリー食う虫も好き好き
この前、道を歩いていると地面にところどころ黒っぽいシミがついているのを発見した。よくみると黒いツブツブした実が潰れてシミをつくっているのだった。
この実おそらく、桑の実。(たぶん・・・)
桑の実は英語ではマルベリーと呼ばれていてイチゴやブルーベリーと同じベリー類に属する。
蓼食う虫も好き好き。
という諺があるほど、桑の葉は苦く食べれたものではない。
けれど、その実は私の好きなあの甘酸っぱいベリー類に属するということを知った時は目から鱗だった。
この実が甘酸っぱいのか、苦いのかは知らない。
もしかしたら蚕はベリー類の美味しさを知っていて好んで食べているのかもしれない。
いつか味見をしてみたいものだ。
そら・そら・そらら
何だか変なタイトルを書いてしまったが、
空を眺めながら歩く時の気分はこんな感じだ。
広い空はのんびりとゆったりしているイメージだが、
次から次へとリズムよく色々な形の雲が現れる。
雲にはすでに名称がついているものが多数あるが、
自分で名前をつけたくなるような面白い雲に出くわすこともある。
酒粕雲。
酒粕のようにモロモロとした雲。
いや、灰汁雲の方がいいかな。鍋の液面にもそもそと浮いてくる灰汁のようでもある。
打ち上げ雲。
放射状に何かが飛び出したかのような何本もの長細い雲。
以上私が勝手に命名した名前だが、
おそらく正式には一つ目は羊雲。
この“おそらく”“かもしれない”には、雲の特定が難しいという私なりの見解が含まれている。というのも、雲というのは二度と同じものは見えないもの。
雲には10種類の正式な名前があるらしいが、
その時の気分で勝手に名前をつけるのが丁度いいのではないかと勝手に思う。
雲は見ていて飽きない。
イチゴの隠れんぼ
先日公園に行ったとき、花壇に小さな白い花が咲いているのを見つけた。
その可愛らしい小さな花を写真に収めようと近づき、その花を上からのぞいてみた。
すると見つけた。
葉っぱに隠れている赤く熟しかけているイチゴ。
よくみると、小さな白い花の下にたくさんのイチゴが生っていた。
葉っぱに隠れるように生っているイチゴ。
実が大きくなると、重さに耐えれなくなって地面に倒れこんでしまうのだろうか。
商売用に植えられたものではないので、表面がデコボコしていてツブツブがより目立つイチゴだった。
このツブツブ。実はタネではなく、一つ一つが小さな実。
小さな頃からタネだと信じて疑わなかった私。この事実を知った時の驚きは私にとって大きいものだった。
何事も見た目だけで判断してはいけないなと思った昔の私。
そんなことを思い出しながらシャッターを切ってみる。
蝶の羽ばたき
散歩をしているとき、ひらりひらりと落ちてくる影が目に入った。
はじめは葉っぱが木から落ちてきた影だと思ったが、その影は落ちかけたかと思うとひらりと舞い上がり花に着地した。
鮮やかなピンクの花に映えるエメラルドグリーンの羽。
“美しい”・“キレイ”という言葉ではなく、“可憐”という言葉が似合う蝶だった。
蝶はせわしなく羽ばたいて、落ち着いて一つの花に留まることはなく次から次へと花の間を行き来していた。
その可憐な姿を写真に収めようとシャッターを何度も切った。しかし蝶はじっとは止まってくれず、小悪魔のように私を翻弄していた。
シャッターでは収めることができないほどの羽ばたき。
シャッターの速度は1/60秒。
それよりも速い羽ばたきが日の光によって煌めき、エメラルドグリーンの羽の輝きをより増幅させてみせているように見えた。
図鑑の写真を眺めているだけでは出会えない光景。そんな光景に出会える散歩が私は好き。
発見 〜初夏のモミジ〜
夏も近づき少しずつ暑くなってきたゴールデンウィーク。
新緑が美しい季節。
春ほど柔らかくなく、夏ほど刺激が強すぎない、『元気いっぱいで爽やか』という言葉が似合いそうな日の光。そんな日の光に透ける美しいグリーンのモミジ。
息を呑むような美しく深い紅に染められる秋のモミジももちろん好き。しかし、5月の透明感のあるグリーンの光を生み出すモミジも好き。
そんなモミジを眺めていると、葉の下に小さな赤いものがあることに気がついた。
枝分かれした、か細い枝の先にちょこんと赤いものがある。気になって調べてみるとモミジの実だと知った。
恥ずかしながら、ウン十年生きていきて初めてその存在を知った。毎年眺めていたはずのモミジ。知らない姿があるとは思いもよらなかった。
この変わった形をした実。
この時のモミジは背が高く、実がどんな形をしているかよく見えなかった。
なので別のモミジでその姿は見えないかと思い後日、探してみることにした。
すると、大きな翼をつけた赤い小さな実を見つけることができた。
この日は5月も中頃。少し日の光も刺激を帯びている頃だった。
そのためほとんど落ちてしまった後なのかあまり数はなかったが、
葉に埋もれる形で確かに存在していた。
大きな翼がついた小さな赤い実。
後から調べてみるとこの翼をつけた実は翼果と呼ばれ、風でくるくると飛ばされながら種子を遠くへ飛ばすことができるとのこと。
実が生るということは、その前には花が咲くということ。
来年はその姿を是非とも拝みたいと思う。
お馴染みのモミジ。
けれど知らない姿がまだまだたくさんありそうだ。