発見 〜初夏のモミジ〜
夏も近づき少しずつ暑くなってきたゴールデンウィーク。
新緑が美しい季節。
春ほど柔らかくなく、夏ほど刺激が強すぎない、『元気いっぱいで爽やか』という言葉が似合いそうな日の光。そんな日の光に透ける美しいグリーンのモミジ。
息を呑むような美しく深い紅に染められる秋のモミジももちろん好き。しかし、5月の透明感のあるグリーンの光を生み出すモミジも好き。
そんなモミジを眺めていると、葉の下に小さな赤いものがあることに気がついた。
枝分かれした、か細い枝の先にちょこんと赤いものがある。気になって調べてみるとモミジの実だと知った。
恥ずかしながら、ウン十年生きていきて初めてその存在を知った。毎年眺めていたはずのモミジ。知らない姿があるとは思いもよらなかった。
この変わった形をした実。
この時のモミジは背が高く、実がどんな形をしているかよく見えなかった。
なので別のモミジでその姿は見えないかと思い後日、探してみることにした。
すると、大きな翼をつけた赤い小さな実を見つけることができた。
この日は5月も中頃。少し日の光も刺激を帯びている頃だった。
そのためほとんど落ちてしまった後なのかあまり数はなかったが、
葉に埋もれる形で確かに存在していた。
大きな翼がついた小さな赤い実。
後から調べてみるとこの翼をつけた実は翼果と呼ばれ、風でくるくると飛ばされながら種子を遠くへ飛ばすことができるとのこと。
実が生るということは、その前には花が咲くということ。
来年はその姿を是非とも拝みたいと思う。
お馴染みのモミジ。
けれど知らない姿がまだまだたくさんありそうだ。