化学が生み出す不思議な景色③ 〜地獄めぐり in 別府〜
海地獄、泥地獄と来て、お次は“かまど地獄”。
名前から、石川五右衛門的な「かまどでグツグツ煮られてしまう」ような怖いことが由来なのかと思っていたら、温泉の噴気で昔ご飯を炊いていたことが由来なのだということ。なんだか平和な由来だった。
かまど地獄はエンターテイメント性に溢れた場所だった。
スタッフの方がタバコの煙を噴気口に向かって吹きかけると、
噴気口から白い煙がモクモクと立ち上がった。
噴気口の周りが丁度コンロのような形をしていたので、その姿はまさしく「グツグツに煮えたお鍋」。
ちなみにこの煙は飛行機雲ができる原理と似ているのだそう。
噴気口からは常に水分が飛び出ているが、私たちの目には見えない。
タバコの煙を吹き付けることで、その煙の中にある小さな塵たちが核となり雲ができるとのこと。
かまど地獄には色々な色の温泉があった。その中のうちの一つ。
この赤い激辛ラーメンのスープのような温泉。
この熱くて辛くて痛そうなまさしく地獄のような温泉にスタッフの方が煙を吹きかけると、ドラゴンが通った後のような荘厳な雰囲気が作り出された。
自然と科学の力によって生み出される景色は、どんな映画のシーンよりもエンターテイメントに溢れたシーンだった。