化学が生み出す不思議な景色⑥ 〜地獄めぐり in 別府〜
最後は龍巻地獄。
龍巻地獄はいわゆる間欠泉だ。
現地に着き売店を通り抜けると、観光客がみんなこちらを向いて座っている。
なんだろうと思い振り返ってみると、岩で築かれた大きなお椀型の壁があった。
これが地獄なのか?と思い、看板をよくよくみてみると、約40分に1回温泉が吹き出すとのこと。
私は今まで間欠泉をみたことがなく、恥ずかしながら間欠泉は常に温泉が吹き出し続けているものだと思っていた。少し残念な気持ちになっていると、この約40分に1回というのは世界中にある間欠泉の中でも、吹き出す間隔が短いので、頻繁にその姿を見れることで有名とのこと。
しばらく静かな岩の壁を眺めていると、湯気が心なしか多くなってきた。
もしやこれは兆候かなと思っていると、温泉が勢いよく噴き出し始めた。
思ったほどの勢いではなかったが、温泉はとどまることをしらず延々と噴き出し続けた。
間欠泉は地下にある空洞に水蒸気が溜まって地下にある水を押しだすことで、その姿を見せてくれる。ワンピースに出てきたノックアップストリームのようなものだ。
延々と噴き出す温泉を眺めながら、こんなにも地下には温泉が溜まっていたのかと感心したりしていた。
生ノックアップストリームを尻目に門を再びくぐり帰路につくと、異世界の世界から帰還した気持ちだった。